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2014年衆議院議員総選挙の前に観ておきたいドキュメンタリー映画『選挙』

2014.12.07

さて、2014年衆議院選挙も公示され年の瀬なのに街中も選挙モードになってきましたね。と言うわけで今年見て面白かった「選挙」にまつわるドキュメンタリー映画のご紹介。

想田和弘 × 家入一真の対談

正直、多数派のノンポリ、無党派層の人たちには「毎回、街でも住宅地でも選挙カー煩いなぁ」くらいでしょうか?
そもそも選挙事務所や選挙対策委員会、各議員さんたちが何を日頃「選挙」で行っているのかが政治に疎い自分には分かりません。
とは言え、見たことがない世界、業界と言うのは新しい発見があるもの。

そんなわけで、4月14日に『選挙』監督の想田和弘氏と、2014年に東京都知事選に立候補した家入一真氏の対談と上映会があると言うことで、Peatixでチケットを取って会場である東大まで行って来ました。

結果としては非常に面白かった!
是非、衆議院選挙前にこの日本の政治システムを見てほしいです。

山内和彦さんを中心とした人間模様とドブ板選挙の生々しさ

以下、公式サイトより物語の引用。

2005年秋。東京で気ままに切手コイン商を営む「山さん」こと山内和彦(40歳)は、ひょんなことから自民党に白羽の矢を立てられ、市議会議員の補欠選挙に出馬することになった。政治家の秘書経験もない山さんは、政治の素人。しかも選挙区は、ほとんど縁もゆかりもない川崎市宮前区だ。地盤どころか後援会すらないまま、激しい選挙戦に突入することになる。

しかし、自民党としても負ければ市議会与党の座を奪われてしまう大事な選挙。何としても勝たなければならない。地元選出の自民党議員や秘書たちによる激烈な戦闘態勢が組まれ、世にも過酷なドブ板戦が始まった。

対するは、民主党、共産党、神奈川ネットワークからそれぞれ公認されたベテランたち。地方の市議選であるにもかかわらず、自民党大物議員の石原伸晃や川口順子、橋本聖子、萩原健司、果ては小泉首相までが応援に駆けつけ騒然となる。

山さんは少しでも選挙民に自分の顔を売るため、神社のお祭りや保育園の運動会、老人会、果ては駅やバス停にまで出かけていき、片っ端から握手を求める「電柱にもおじぎ作戦」に出る。
また、確固たる後援会のない山さんは、地元選出の自民党議員の組織力と地盤を拝借できなければ当選はおぼつかない。他の自民党市議や県議、国会議員の支援者に自分への投票を呼びかけ、党挙げての組織票固めを試みる…。

何も事前情報なしで見たのですが、監督が友人である山内さんが出馬すると言う事で、自民党に撮影許可を求めたらOKをもらえたのでドキュメンタリーとして山内さんを追い続けると言う感じ。

選挙区の人々に握手をしまくり名前を連呼、駅までも名前と党名を連呼、紹介された地元のお祭りなども顔を出し、ひたすら挨拶回り・・・の日々です。

興味深かったのは、特に政策とか具体的な事は言わないんですね。
今であればネットで各政党や各候補者の情報を得られるからかもしれませんが、既に当選を重ねている先輩議員達から「相手の目を見て話せ」「握手するタイミングはこうだ」「3秒に1度名前を連呼しろ」など細かくアドバイスがなされていました。
流石は選挙対策のプロ、自民党と言った感じ。

常に外で動き回って名前連呼をし続け、奥さんと共にぐったりとワンルームマンションへ戻る時の会話で喧嘩寸前に。
お互い全く知らない政治の世界にとまどいつつも何とかやるしかない、と話すシーンなど見所は色々とありました。
応援してくれている選挙事務所のスタッフの方などなど、各人の本音が垣間見えるシーンもありその時の政治情勢を切り取っているようでなかなか楽しめました。

最後のシーンで小泉元首相が選挙カーに登場するシーンなどは、素直に凄いなぁと思いつつ、果たして「名前連呼」の行き着く先が首相なのかと妙な気持ちにもなりました。

何だか妙だと感じた日本の選挙スタイル

正直、自分の感想は「うわー、絶対こんなことやりたくないな」でした。
上映会後の対談で家入一真氏も話していましたが、本当に同意見でした。
例えば民間の仕事であれば、やればやった分成果として評価をされますし会社も大きくなります。

ところがこの生々しいドブ板選挙は、それこそ地盤も看板も鞄もない議員を目指す人がひたすら名前と政党名、キャッチフレーズを連呼し、関係各所への挨拶回りをするだけ。
有権者に対しての政策の訴えかけがほぼ皆無でした。

所謂、日本の悪しき習慣と言うのでしょうか?
海外の選挙の実態を詳しく知っているわけではないですが、今まで十数年間この体制で来たと言う時点で大多数の無党派層は政治に興味がなくなるのも頷けます。
わざと外部の人に政治に興味持ってもらいたくないように積み上がって来たかのようでした。

だって内輪に次ぐ内輪でやっている人たちは真剣なんでしょうが、外部から見ると非常に歪で妙な構造に見えてしまいます。
そうしたモヤモヤした選挙に対する違和感を、選挙の裏側をドキュメンタリーとして映画化してくれたお陰で、よりハッキリ認識出来たので個人的には面白いと言えました。

他にこの映画を観た方の感想はいかがでしょうか。
日頃政治に興味を持っている方、持っていない方、色々な方に見てもらいたいドキュメンタリー映画でした。

■映画『選挙CAMPAIGN』
http://www.laboratoryx.us/campaignjp/

映画

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