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マック赤坂など大物泡沫候補のオンパレード!総選挙前に観ておきたいドキュメンタリー映画『立候補』

マック赤坂など泡沫候補のオンパレード!総選挙前に観ておきたいドキュメンタリー映画『立候補』

2014.12.10

引き続き「選挙」にまつわるドキュメンタリー映画『立候補』のご紹介。これが凄い面白かった!そしてちょっと感動しました・・・。

東中野セルフキッチンでの手作り上映会

ドキュメンタリー映画『選挙』と同様に、こちらの『立候補』も以前から非常に気になっていました。
自主制作映画やインディーズ映画をよく上映している「ポレポレ東中野」での上映も既に終了していて残念だなぁ、と思っていたところに2014年4月27日に自主上映の告知が!
と言うわけで参加してきました。

東中野セルフキッチン」自体は、前々から皆で食材を持ち寄って料理をして飲みが出来るお店として気になっていましたし、以前東中野に住んでいたこともあり場所を把握していました。
けど、地下1階だったので何となく入りづらい雰囲気(笑)

当日時間になり思い切って入ってみると、カウンターからドリンクやお酒を注文する、小奇麗なカフェのようで思いの外広くて落ち着いた空間でした。

50脚くらい並べてある椅子に座って、お酒を補給しつつ上映開始!

一癖も二癖もありすぎる、強烈な個性を醸し出す泡沫候補たち

以下、公式サイトよりあらすじの引用。

無視され、罵倒され、それでも立ち続ける。
人は彼らを泡沫(ほうまつ)候補と呼ぶ。

2011年霜月。橋本徹が仕掛けた40年ぶりの大阪府知事・市長選挙。大阪は維新か?反維新か?まっ二つに意見が割れ、沸いていた。結果次第では大阪の、いや日本の行く末が決まるかもしれない。
そこに現れた場違いな4人の泡沫候補たち。
スマイル党総裁「マック赤坂」、二度目の府知事選「高橋先生」、7歳の娘をもつ61歳「中村パパ」、初選挙の「岸田さん」。
金持ちの道楽?税金対策?目立ちたがり?会社宣伝?
なぜ、彼らは三百万円の供託金を支払ってまでして、敗北必至の選挙に立候補するのか?
伝説の政見放送「外山恒一」、
泡沫の最高峰「羽柴秀吉」も外野参戦。

この映画は、歴史に残る事のない、存在を消し去られた敗者の記録である。

既にご存知の方々も非常に多いと思いますが、代表的なお二人の政見放送をYoutubeから。

マック赤坂 2014年東京都知事選 政見放送

東京都知事候補 外山恒一 政権放送

前回の記事で、個人的に日本の「選挙」と言うスタイルが妙だと感じていると書いたのですが、同様にこうした所謂「泡沫候補」のように有象無象が集っている「選挙」がどうも胡散臭く見えてしまうというか・・・。
確かに彼らはネットを中心に一部では有名だけれど、なぜ立候補してるの?お金無駄じゃない?売名?と自分もいつも疑問符がついていました。
余程の暇人かお金持ちなのかなぁ、と思うくらい。
そんなときに、非常に興味を惹くあらすじで期待が持てます。

実際の映画の内容としては、2011年に大阪府知事選挙へ立候補した4人の「泡沫候補」への取材、選挙活動をカメラが追いかけていきます。
個人的な理由、家族のため、つまりは政治的主張よりも、”自分の生き方”の表現のひとつして立候補している様子が浮かび上がってきます。
とは言え、彼らは彼らなりに本気で選挙に立ち向かってきているわけです。つまり、今までの政党システムではないやり方で。

そんな中一番目立つ存在と言うかトラブルメーカーなのが、やはりマック赤坂氏!

変なんだけど目が離せない魅力的なマック赤坂候補

前述のように映画では色々な泡沫候補者達へのインタビューを行っているのですが、マック赤坂の運転手兼秘書の方の活躍も凄かった。

全てのシーンを覚えているわけではないので、一部のみですが、
例えば、橋本府知事の選挙カーが駅前に到着し、群衆にもの凄い大盛況で迎えられている場面に、いつも通りマック赤坂候補がマイクで論戦をしようと殴り込みをかけ、お互いのマイク合戦で駅前が騒然としたり。

マック赤坂候補自体は大阪の地下通路で「スマイル体操!」とやりつつ有権者へ熱心にアピールをしているのですが、歩行者の邪魔になるからと警察、警備員が止めにくるのを運転手兼秘書の方が口八丁で打ち負かしたり、と色々と熱心に動かれている。

こうした奇抜なパフォーマンスが目立つマック赤坂候補(と、それを補佐していた秘書の方)だが、「路上できちんと政策を訴えても有権者は立ち止まって聞いてくれないんだよね」とカメラに向かって話しているのが印象に残った。

だからと言ってスマイル体操で日本国民の意識が大きく変わるとは個人的には思えないけど・・・。
翻ってみて自分たち有権者自体が”政党名”、”候補者の知名度”ばかりを優先していて政策の中身を求めていないのではないだろうか?と自問してしまった。

マック赤坂の息子さん視点で見るマイノリティとマジョリティ

そして物語の後半、2012年東京都知事選挙でもマック赤坂氏は候補者として再び名乗りを上げる。

非常に貴重だと思われるマック赤坂氏の息子さんへのインタビュー。
息子さんは自分の父親がマック赤坂で世間には泡沫候補と呼ばれているのは当然知っているので、色々と複雑な心境が垣間見えます。
つまり、息子さんは自分のような通常の有権者と同様に「なぜ負けると分かっているのに立候補を?」と言う疑問符を常に抱えながら父親の行動を見ているようなんですね。

そんな中、秋葉原へ父親であるマック赤坂候補が大阪府知事選のように秋葉原へマイクパフォーマンスで殴りこみをかけるらしい、と。
ここでちょっと一歩引いた視点から見ていた息子さんも、一度その選挙スタイルを間近で見に行くことにします。

駅前では意気揚々と登場した安倍首相の演説とそれに被せるようにマック赤坂のパフォーマンス。
それに対して安倍首相支持者の群集から猛烈なマック赤坂への非難と罵倒が降り注ぎます。

「帰れー!」「売国奴!」

マック赤坂も同じように供託金を払っている候補者であるにも関わらず、非常に汚い言葉で罵ってきます。
これに対して父親の傍で見ていた息子さんがキレる!
そしてこの対決を見て「カッカッカー愉快だ」と一人笑っているマック赤坂。

結局長いものには巻かれろなのか、集団だからなのか、一人で勝負をしてきているマック赤坂や他の泡沫候補者に比べれば、これらのマジョリティの集団は非常に脆くて気持ち悪く見えました。

このマック赤坂の息子さんvs群集 と言うシーンを撮影できたのが素晴らしい!
このラストシーンは田中達英さんのちょっと物悲しいBGM、息子さんの台詞と相まって感動すらしました・・・。

つまりは、最初は「何だ泡沫候補って?お金の無駄じゃない?」と思っていた自分が、この映画を観ている数時間のうちに、マック赤坂や泡沫候補者達の生き様、熱意を見て考え方が変化してしまったんですね。
ある意味身体とお金を張って勝負しに来ている彼らに少なからずエールを送ってしまっている自分がいる。

少しでも興味がある人は是非この映画を観てみることをおススメします!

■映画『立候補』
http://ritsukouho.com/

映画

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